キャリコンごきたコラム No.2 【苦い思い出】

 

 

今まで“コミュニケーション”で失敗した経験は数知れず、
その中でも特に忘れられない“苦い思い出”を聞いてください。

社会人となって6年目、初めて転勤した先の事業所の人事労務担当として
はりきって仕事をしていました。
ある日、ある女性社員から事務所のコピー機のところで話しかけられました。
彼女は最近、社内結婚をしたばかりなのですが、夫の作業着の洗濯がたいへんだと言うのです。
夫は同じ工場内の製造ラインで働いていて、
機械油が作業服に付着していて家庭にある洗濯機では簡単に落ちない、
また、他の洗濯物といっしょにはとても洗えないと言います。
たいへんだねと相槌を打っていた私に向かって、
突然、彼女は怒りだしたのです。
日頃優しい笑顔を絶やさない彼女がなぜ?と驚きました。

もうひとつ。
別の事業所でやはり人事担当管理職として、入社まもない30代男性社員に
職場を替わってもらうように話をする(内示というやつです)場面がありました。
彼は数か月前に工務課の設備保全担当職として採用されたのですが、
製造課の生産担当職に移ってもらわなくてはならなくなりました。
ある日の夕方、仕事終わりに事務所に来てもらった彼に、
「人員が不足している製造職場に行ってもらうことになった。
工務技術職として入社してもらっているが、
製造課人員確保できないと生産に支障をきたすので、
人員が確保できるまで製造ラインでしばらく勤務してほしい」と告げました。
すると彼は納得がいかないと言い出しました。
日頃は温厚な彼がどうしてこんなに反論するのかと驚きました。

このふたつの事例、皆さんはどう想像されますか?
なぜ彼らは怒り出したり強く反発してきたのでしょうか?
おそらく、
「家で作業着を洗うのは誰もがやっていることなのだから我慢してやるしかないでしょ」
「社員が一時的に職場を異動してもらうのは会社の規則だから従ってもうらいしかない」
と“私の顔に書いてあった”のでしょう。

彼らの“気持ち”や“感情”に私は寄り添っていないということだったのです。
洗濯で悩む彼女には、それがどれほどたいへんな作業なのかもっと理解すべきだった、
異動を告げられた彼にはもっと時間をかけて
じっくり彼の気持ち(工務技術者として仕事をしたいと入って来た彼です)
に寄り添って話をするべきだったのです。
その日は夕方の遅い時間になっており早く話を終わらせたいと思っていた私もいました。
おそらく彼は最終的には従わざるを得ないとは感じていたのでしょうが
(事実、その日の最後には職場異動を了承してくれました)
私と彼の対話は極めて貧しいものだったと後で気付きました。

現在、キャリアコンサルタントして、職場内でのさまざまな悩み、
例えば上司や同僚との人間関係、ハラスメントやコミュニケーションがうまくいかないなどについて
相談を受けることがあります。
過去の“苦い思い出”を踏まえて、「相手に寄り添って話を聴く」を
まず第一に心がけていきたいと思います。

 

 

 

 

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