キャリコンごきたコラム No.7 【天才はどうやって作られるのか】

 

 

「1万時間の法則」は聞かれたことはありますか?
誰でも1万時間取り組めば“プロ並みの技能やスキルが身につく”という…
「天才!成功する人々の法則」(マルコム・グラッドウェル著 勝間和代訳 講談社)では、
楽器演奏、語学・スキルの習得などで「プロ並み」と言われるレベルに到達するための“魔法の数字”、
それが1万時間であるとの研究成果が紹介されています。
例えばビートルズ。
ジョン・レノンやポール・マッカトーニーらには卓越した音楽的才能があったと言われていますが、
実はデビュー前の3年間、ドイツ・ハンブルグのナイトクラブで
一晩に5時間から7時間ぶっつづけで演奏していたんですね。
それは1200回以上を数えたそうです。(計算するとこれだけで7200時間になりますね)
それもロックだけでなくポピュラーやジャズなど客のリクエストに全身全霊で応えざるをえなかったと。
こうした下積み時代を経て1964年リバプールでのデビューの時にはすでに他グループとは
一味もふた味も違う演奏技術と幅広い音楽性や創造性を備えたグループになっていたのだそうです。

次は、ビル・ゲイツ、ご存知マクロソフトを創業した天才でいまや大富豪。
何事にも飽きぽいビル少年は中学2年生のときに当時注目され始めていたコンピュータに出会います。
幸運なことに彼が通う私立中学が最新のコンピュータとそれを生徒に使わせる環境を備えていて、
ビル少年はほとんどコンピュータルームで寝泊まりしながらプログラミングに熱中します。
高校でも近所の大学のコンピュータが深夜には空いていることに目をつけたビル少年は
両親には黙って毎晩通うのです。
そして、ハーバード大学に入学したころには、
すでにプログラミングの経験時間は1万時間を超えていて、
大学を中退してビジネスに乗り出します。
このように天才たちは、持ち前の才能だけではなく、他人が普通しないような時間の使い方、
そしてそれを実現する幸運?な環境が整ってこそ生まれるのです。

さて、人生における時間について考えてみます。
私たちが社会へ出てから働く時間、例えば20歳から60歳までの40年間、
一日8時間働くと約8万時間、実際は残業などで10万時間以上かもしれません。
そうするとそれぞれの道において“プロ”になっている方も多いはずです。
では定年退職後はどうでしょう。
お金をもらうための賃仕事から解放され、自分の好きなことに時間を使えるのは一日14時間くらい
(これは睡眠や食事その他生活に必要な時間を除いています)はありそうです。
そうすると一年間で約5千時間、65歳までの5年間では2万5千時間もある。
なんと1万時間がふたつ以上も。
さらに80歳までなら10万時間もあります。
若い時と違って、体力やエネルギーは衰えているかもしれませんが、
好きなことならそれなりに熱中できるはず。
むしろ現役時代のような、いやな仕事、上司の顔色をうかがうなんて非生産的な時間はないのです。
一方で介護の時間などが出てくる人もいると思いますが、外部の力を借りるなどの工夫すれば、
自分のために時間を使える環境は“現役”時代よりも整っているのではないでしょうか?
さあて何のプロになりましょうか?

 

 

 

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